spectrum((変動するものの)範囲、連続体)という意味で、オーディオファイルから周波数を取得し視覚的に表示します。YouTubeでもオーディオスペクトラムを使用したBGM動画を多く見かけます。BGM動画に使用したい人や、VJ(ビデオジョッキー、またはビジュアルジョッキー)として音楽と同期した映像に挑戦したい人は是非使ってみてください。
このエフェクトはオーディオファイルを使用します。読み込み不可のファイル形式もあるので公式の入出力ファイル対応形式にてご確認ください。一般的なMP3、WAV形式は読み込み可能です。
また、オーディオファイルに対して直接オーディオスペクトラムを適用しても反映されません。以下のように平面レイヤーやプリコンポジションに対して適用するようにしましょう。


私は音声ファイルの差し替えも簡単な後者のプリコンポジションに対してオーディオスペクトラムを適用しました。それではパラメーターを見てみましょう。
オーディオスペクトラムのパラメーター

オーディオレイヤー

タイムラインに配置したオーディオファイルを選択します。
開始ポイント、終了ポイント

オーディオスペクトラムの開始ポイントと終了ポイントを設定します
パス

エフェクトを適用したレイヤーにマスクを作成すると選択可能になります。マスクは加算からなしに変更しておきましょう。以下は星マスクを選択したものです。

自身の好きな形に整列させることができます。
極パスを使用

ONにするとパスの1つ(最初の頂点)のみから放射状にスペクトラムを表示します。
開始周波数、終了周波数
単位はHzで、スペクトラムで表示する周波数の範囲を設定します。
周波数バンド

band(帯)という意味で、表示する周波数の数を設定します。
最大高さ

周波数の最大となる高さを設定します。
オーディオのデュレーション(ミリ秒)

周波数の継続時間を設定し、平均化します。デフォルトは90ミリ秒ですが、瞬間的な音の大きさを取得したい場合は値を小さくしましょう。上の動画で、下のスペクトラムはデュレーションを大きく設定しています。
オーディオオフセット(ミリ秒)
時間のオフセットを設定します。これによりオーディオから取得する周波数をずらします。
太さ

周波数のバンドの太さを設定します。
柔らかさ

スペクトラムのバンドの太さの値を大きくし、内側・外側のカラーを変更します。そのあと、柔らかさの値を大きくすると効果が分かりやすいです。下が柔らかさ100%のものです。
内側のカラー、外側のカラー

スペクトラムの内側・外側のカラーを設定します。以下のカラーに関するパラメーターにおいて中心となる色となります。
オーバーラップカラーをブレンド

ONにすることで重なったバンドのカラー部分を合成します。
色相補完法

0から値を変更することで変位します。色相環に沿って内側・外側のカラーに設定した色を基に、扱う色の範囲を拡大することができます。
ダイナミック色相フェーズ

ONにすることで設定した内側・外側のカラーが、最大周波数に対して分布するようになります。
カラーシンメトリー

ONにすることでカラーのフェーズが対称になり、接続部分のカラーがシームレスになります。
表示オプション

スペクトラムの形状を3種類の中から選択します。
デジタル

アナログライン

アナログドット

サイドオプション

スペクトラムを表示する部分を指定します。
サイドA

サイドB

両サイド

デュレーション平均化

ONにするとバンド全体が均一になり、規則的になります。
元を合成
ONにすると元のイメージとオーディオスペクトラムを合成します。
いかがでしょうか。AEはオーディオ自体を加工するエフェクトは少ないです。しかし、音声ファイルから同期を取って視覚的に表現することは得意としています。標準の機能でも十分楽しめるので、オーディオスペクトラムをきっかけにいろいろ試してみてくださいね!